過去は当たっていましたが、未来は当たっていませんでした

29歳の時に、よく当たるという手相占いに行きました。特に行こうと思ったきっかけなどは無かったのですが、よく当たると噂され、少し気になっていたというのもあり、休みの日を利用して行ってみることにしたんです。幸い家からあまり遠いところではなく、気軽に行こうと思えるところにその占い師はいました。
その占い師は50代後半くらいの女性の占い師でした。対面していきなり、24歳からずいぶん考え方とか生き方が変わったね、それまでちゃらんぽらんだったみたいだけど…と言われました。言われた瞬間は出会い頭にいきなり失礼だなと思ったのですが、言われたことをもう一度よく考えてみて、ハッとしました。私は高校卒業後、東京のマスコミ関係の専門学校に通い、編集者になる勉強をしていました。小さな頃からテレビや雑誌などの世界に憧れ、高校に入っていろんな雑誌を読むようになると、そういった雑誌の編集者になりたいという希望が強くなりました。親に反対されたりもしましたが、夢は捨てきれず、無理を言って東京の専門学校へ通わせてもらいました。しかし、在学中に大病をし、数カ月の入院生活を送ることになってしまいました。入院中に専門学校の友人も多く見舞いに来てくれて、授業内容などを教えてくれていましたが、長い入院生活で体力は落ち、周囲にもついていけなくなった私はすっかり自信をなくし、自暴自棄になってしまいました。私は編集者になる夢を諦めて、就職もせず卒業後は全く関係のない職種のアルバイトをしていました。時間があれば遊び歩き、アルバイトでやりくりする日々…そんな私にあきれた母が、実家に戻ってきちんと就職をしたらどうかと助言があり、私が23歳の時に東北地方の実家にUターンをしました。それからは地元の正社員として働き、貯金も計画的にしました。就職した先の先輩がとてもいい人で、ちゃらんぽらんな私を見てしっかりしろと活を入れてくれたのです。それからの私は今までとは打って変わって真面目に生きるようになりました。
そんな過去のことをズバリ言い当てられ、びっくりしました。その後、結婚は縁が遠いね、したとしても50歳になると思う…と言われました。50歳まで独りでいたら、もう結婚は考えないんじゃない?と思って笑ってしまいました。結局私は35歳で結婚し、子どもにも恵まれました。今年結婚11年目で旦那さんや子どもたちと幸せに暮らしています。過去はすごく当たっていましたが、未来は残念ながら当たっていませんでした。それでも手を見ただけでその人の過去があそこまでわかるなんてすごいと思いました